甲子園まつば眼科

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網膜の病気

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網膜の病気

目の奥の網膜には、目の中に入ってきた光を電気信号に変換する役割があります。網膜の中心に位置した黄斑部は、細かいものを見分けたり色を識別したりといった見え方にかかわる大切な役割を担っています。
網膜の病気を眼底疾患といい、黄斑と網膜全体の病気があります。黄斑が傷むと“視力”に影響し、黄斑部以外の網膜が傷むと“視野”に影響することがあります。

眼底疾患には以下のようなものがあります。

  • 加齢黄斑変性
  • 黄斑前膜・黄斑円孔
  • 網膜裂孔・網膜剥離
  • 糖尿病網膜症
  • 網膜静脈閉塞症

下記の症状が見られた場合はいずれかの眼底の病気を発症している可能性があります。お気軽にご相談ください。

  • 中心が歪んで、線が細く見える
  • 見たいところが黒く抜ける
  • 波打って見える
  • 左右でものの大きさが大小不同に見える
  • ピカピカと光って、飛蚊症が強くなる
  • 見えない範囲が大きくなる
  • 視界が部分的に暗くなり、見えにくくなる
  • 視野全体がかすんできて、暗くなる

加齢黄斑変性

加齢黄斑変性は網膜の中心にある黄斑部が障害され、見え方が悪くなる病気です。
日本における有病率は、10年ほど前の調査で50歳以上の約1.3%(日本の全人口で約70万人)といわれていましたが、ますます増加しています。

原因

加齢変化により網膜と網膜の奥にある脈絡膜という血管の膜が傷んでしまうためですが、喫煙や光障害、高血圧や糖尿病など多くの要素が関係しています。

分類

①前駆病変
②萎縮型
③滲出型

症状

  • 中心が歪んで見える
  • 見たいところが黒く抜けて見える
  • メガネをかけてもはっきり見えない

前駆病変は自覚症状があまりありません。
萎縮型は最高視力がメガネをかけても0.5くらいまでしか出なくなります。
滲出型では、脈絡膜に新生血管という異常な血管が発生して血液成分が漏れ出してしまいます。その結果、網膜がむくみ中心が歪んで見えるようになり、暗く見えにくくなります。さらに進行すると出血がおこり、視力が出にくくなります。

治療

発症予防や進行抑制のためにはバランスのとれた食事と目の健康管理が必要となります。緑黄色野菜に多く含まれているルテインという成分には黄斑部を光障害や加齢変化から守る役割があります。目や体全体の健康維持のためにも、普段から緑黄色野菜を十分にとり、バランスのとれた食生活を心がけましょう。また、日常生活で喫煙をされている方は減煙、禁煙、断煙できるようにがんばりましょう。高血圧や糖尿病の管理も大切です。
前駆病変や萎縮型の場合は、進行予防の目的でサプリメント摂取が推奨されています。
滲出型の治療としては新生血管を弱らせることが必要です。方法としては以下のものがあります。

抗VEGF薬硝子体注射

目の中(硝子体腔)に抗VEGF薬を注射して新生血管の働きを弱めます。数回の注射治療で病態が安定し、視力が改善することもあります。一方で、治療効果が出にくい症例や、頻回の追加治療でも視力が改善しにくい場合もあります。年齢や病態、これまでの治療経過などから、その人ごとに個別化診療を行う必要があります。
注射治療まで期間があいてしまうと進行してしまうことがあり、当院では当日の注射治療により対応することが可能です。

光線力学的療法(PDT)

硝子体注射による治療では安定した効果が得られにくい場合があります。その場合はPDTという治療に変更することがあります。PDTは点滴とレーザーを組み合わせて新生血管を詰まらせる治療方法です。病態によってはPDTと硝子体注射を併用することもあります。

PDTには特殊なレーザー機器を用いますので、大学病院など高次医療施設をご紹介させていただきます。

黄斑前膜・黄斑円孔

黄斑前膜(網膜前膜)は網膜の上にうすい膜が張ってくる病気です。
黄斑円孔はものを見る中心に小さい孔が開いた状態です。

原因

どちらの病気も加齢により目の中の硝子体が変化し、黄斑部に対して引っ張る力(硝子体牽引)が加わることで起こります。

症状

黄斑前膜
  • 中心が歪んで見える
  • 波打って見える
  • 左右でものの大きさが大小不同に見える
黄斑円孔
  • 線の中心が細く見える
  • 真ん中が黒く抜けて見える
  • メガネをかけても最高視力が出ない

治療

どちらの病気も放置しても失明はしませんが、黄斑部は視力にとってもっとも大事な場所ですので、黄斑前膜が張ると見え方に影響が出ます。進行すると最高視力が出にくくなります。また王半円孔が開くと視力に影響します。自然に治ることはほぼないため、手術が必要となります。

手術方法は硝子体手術といわれるもので、目の中のゼリー状の組織である硝子体を取り除き、網膜の前に張り付いた膜を特殊なピンセットを用いて除去します。黄斑は非常にデリケートな場所なので、手術は特殊な器械が必要となります。

黄斑円孔に対する手術や、硝子体手術そのものの合併症に対して硝子体にガスを注入することがあり、その場合は手術のあと数日~10日程度のうつぶせが必要になります。

どちらの病気も手術後すぐに見えやすくなるわけではありません。しばらくは黄斑の働きが悪いため、視力改善には数ヶ月を要します。最終的に視力障害や変視がのこることもあります。

硝子体手術が必要な場合は、大学病院など高次医療施設をご紹介させていただきます。

網膜裂孔・網膜剥離

眼球内にはゼリー状の組織(硝子体)があり、目を支えています。年齢の変化などで硝子体が縮まると、網膜との癒着が強い箇所や薄い箇所に裂け目できて網膜裂孔になります。
いったん網膜裂孔ができると、自然に治ることはありません。眼球の中にある水分(液化した硝子体)が網膜裂孔から網膜の後ろ側へ流れ込み網膜が剥がれると網膜剥離になります。

原因

網膜裂孔や剥離は、疲れ目や生活習慣などは関係ありません。近視の強い方やもともと網膜にうすい部分がある方はリスクが高くなります。

症状

  • ピカピカと光って見える
  • 飛蚊症が強くなる
  • カーテンが揺れるように見える
  • 数日で見えない範囲が大きくなる

網膜裂孔や網膜剥離に痛みはありません。網膜に裂孔ができると目の中に細かい影が映る症状(飛蚊症)が起こります。網膜剥離が進行するとグレーあるいは黒いベールが広がるような症状(視野障害)を自覚するようになります。網膜剥離の進行は、10~20歳代の若年者では比較的遅く、数週間から数ヵ月を要します。一方で、中年以降では硝子体の液化が進んでいるために網膜剥離の進行が早く、1週間以内に視野障害が進んでしまいます。

治療

網膜裂孔ができて間もない時期であれば、裂孔周囲を囲むようにレーザー治療を行います。適切な時期に治療ができた場合、網膜剥離への進行を止めることができます。
すでに広範囲に網膜剥離が進んでいる場合はレーザー治療で食い止められず、手術が必要となります。網膜剥離は放置すると失明のリスクがあるため、早めの手術が必要です。

手術方法は硝子体手術といわれるもので、目の中のゼリー状の組織である硝子体を取り除き網膜への牽引を取り除きます。網膜剥離に対する手術では手術中に硝子体にガスを注入します。術後は1週間~10日程度のうつぶせが必要になります。
硝子体手術が必要な場合は、大学病院など高次医療施設をご紹介させていただきます。

糖尿病網膜症

糖尿病にかかって長い年月がたつと、全身のいろいろな箇所に血管障害が起こってきます。特に目、腎臓、神経に合併症が起こりやすく、臓器ごとにいろいろな症状を認めます。

症状

糖尿病網膜症の症状は病期により以下のものがあります。

①網膜症がない時期

糖尿病はあるものの、特に自覚症状もなく、網膜に見かけ上の異常はありません。

②単純糖尿病網膜症

眼底に小さな出血や、血管から漏れ出したしみを認めます。自覚症状はありませんが、黄斑にむくみ(黄斑浮腫)を生じると最高視力が出にくくなります。

③前増殖糖尿病網膜症

網膜の血のめぐりが悪くなり、大きめの出血を認めるようになります。この段階でも黄斑浮腫を合併していなければ自覚症状はありません。

④増殖糖尿病網膜症

網膜の酸素不足が著しくなり、眼内のあちこちに病的血管(新生血管)が生えてきます。新生血管は破れやすく、硝子体出血を起こすと、見えにくくなります。また、網膜剥離や緑内障に進行すると失明のリスクが高くなります。

治療

糖尿病網膜症の治療は病期により以下のものがあります。

①網膜症がない時期

定期的な内科受診による血糖コントロールが必要です。

②単純糖尿病網膜症

引き続き血糖コントロールが大切です。コントロールが落ち着けば網膜症は改善することもあります。
黄斑浮腫に対しては抗VEGF薬やステロイド薬を注射します。

当院では当日の注射治療により対応することが可能です。

③前増殖糖尿病網膜症

この段階になると血糖コントロールだけでは網膜症が改善しません。レーザー治療が必要です。

④増殖糖尿病網膜症

レーザー治療だけでは対処ができず、手術が必要です。
手術方法は硝子体手術といわれるもので、目の中のゼリー状の組織である硝子体を取り除きます。

硝子体手術が必要な場合は、大学病院など高次医療施設をご紹介させていただきます。

網膜静脈閉塞症

網膜に分布している血管に血のかたまり(血栓)ができると、血流が悪くなり血管が詰まってしまいます。その結果、網膜にむくみや出血が起こる病気です。
原因としては、動脈硬化が関係しているといわれています。

分類

網膜静脈閉塞症には、一部の血管だけが詰まる網膜静脈分枝閉塞症と、すべての血管が詰まる網膜中心静脈閉塞症があります。

症状

  • 視界が部分的に暗くなり、見えにくくなる
  • 中心がゆがむ
  • メガネをかけてもぼやけて見えにくい
  • 急に墨汁を垂らしたように視野全体がかすんできて、暗くなる

網膜静脈分枝閉塞症は黄斑(網膜の中央部)に出血がかかっていても治療により最高視力が0.6~0.7くらいまで回復することが多いです。一方で、網膜中心静脈閉塞症の視力予後は不良です。最高視力が0.1まで低下することもあり、網膜の血流が特に悪い虚血の場合は失明に近い状態になることもあります。

治療

①血液の流れ(網膜循環)を改善させる治療

網膜循環を改善させるため、内科での降圧治療や血液をサラサラにする内服薬が必要になります。

②眼底のむくみ(黄斑浮腫)に対する治療

黄斑浮腫による視力低下から改善させるため、抗VEGF薬やステロイド薬を注射します。

当院では当日の注射治療により対応することが可能です。

③病的な血管(網膜新生血管)の発生を抑制する治療

新生血管を抑制する目的で抗VEGF薬を注射します。また血流の悪い箇所に対してレーザー光線による治療を行います。

当院ではレーザー治療・注射治療とも対応することが可能です。

④出血や網膜剥離、血管新生緑内障に対する治療

もっとも進行した状態です。放置すると失明のリスクがあります。
手術方法は硝子体手術といわれるもので、目の中のゼリー状の組織である硝子体を取り除きます。

硝子体手術が必要な場合は、大学病院など高次医療施設をご紹介させていただきます。

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